両社がベトナムでこうしたプロモーションを実施するのは初めて。同国で国際クレジットカードブランドとコンビニチェーンがこうした試みを 実施するのも初とみられる。現金決済が主流となる中、日系2社が組んでカードとコンビニの利便性を消費者に体験してもらい、新しい買い物スタイルを定着さ せることを目的としている。
今回のプロモーションは、ベトナムでカード発行拡大を狙うJCBと、店舗拡大を狙うファミリーマートの思惑が合致して実現。たばこを除くすべての商品を 購入する際、JCBカードで支払うと、その場で20%の割引が受けられる。1回の買い物で受けられる割引額は最大5万ドン(2.4米ドル、約192円)。 カードの発行国を問わず全てのJCBカードが対象となる。
プロモーションはJCBの海外事業子会社JCBインターナショナル(JCBI)と、ベトナムでファミリーマートを展開するファミリー・カンパニーおよび ビナ・ファミリーマートが実施。ファミリーマートの店舗数は現在、ホーチミン市に29店舗をオープンしており、全店舗でクレジットカードの利用が可能と なっている。
ファミリーマートは2009年12月、日本発祥のコンビニエンスストアとしては初めてベトナムに進出。個人経営の商店が多い中で、「いつでも欲しい時に 欲しい商品が買える」というコンビニ本来のコンセプトで、約1,800種類の商品をそろえている。15年にはベトナムで300店舗の出店を計画している。
JCBは1991年にベトナム進出。当初は加盟店業務で参入し、現在は全国4万2,000店以上でJCBカードを利用できる。昨年9月にベトナム工商銀 行(ベトインバンク)と組んでベトナムでカード発行事業を開始。今年9月にはベトナム外商銀行(ベトコムバンク)、今月にはサイゴン商信銀行(サコムバン ク)と提携し、JCBブランドのカードを発行した。ベトナムのカード市場は100万枚程度で、「JCBは参入1年ですでに数%のシェアを確保している」 (JCBI担当者)。早期にシェア30%に引き上げることを目標に掲げている。